「まだいる?」

「さっきの?たぶん諦めたんじゃないか?」

後ろを振り返ると、車のライトが見えない。
いなくなってホッとした。

途中のコンビニで、ジュースとアルコールを買い、間もなく隆也のアパートに着いた。

部屋は2階の一番奥。

「どーぞ」

「どーも」

初めて入る、気になる人の部屋。
中はキレイに片付いてあった。

「隆也って掃除好きだったもんね…昔から」

「梓は昔から掃除ヘタだよな、明日お前の部屋チェックするからな」

笑いながらビールを開け、それをアタシに渡した。

「チェックするなら掃除頼むわ」

バッグから携帯を取り出し、メールのチェックをすると、さっきのチャラ男からメールがあった。

『あの男が彼氏?』