突然、電話の着信音が鳴り出し、ビックリした。

表示には『隆也』の文字。
安心して電話に出た。

「どうしたの?」

「変な様子はないか?」

「今のところメールも来てない」

「そうか。家の周りにチャラ男はいないぞ」

家の周り?
隆也の家の周り?

「お前の家のだよ」

玄関のドアを開けると、目の前に隆也がいた。

「隆也…帰ったんじゃなかったの?!」

「帰ったよ。でも梓の怖がり方を見たらなぁ…ま、とりあえず来てやったんだよ」

近くのコンビニで袋2つ分の飲み物とお菓子を、たくさん買ってきてくれた。

「心配してくれたんだ」

「ま、そんなトコだ。お邪魔するぞ」

すごく嬉しかった。

「わざわざ…ありがとう」

「気にするな。俺たち幼馴染みだろ?」