一人きりになると、更に怖さが増してきた。

もう、家の場所を突き止められたんじゃないか?
近くで見張ってるんじゃないか?

そんな気がして、窓の外を見る事が出来ない。

全ての戸締まりと、全ての部屋の電気をつけた。
"もったいない"という事よりも、暗い部屋に入りたくなかったからだ。

携帯を開き、チャラ男達と知り合うきっかけになったサイトを見る。

アタシは、いろんな人と会って話してみたかっただけだった。

援助とかじゃない。
当然、お金を貰うつもりもない。

ある人に
「男はねぇ…『食事の先』まで、考えるもんなんだよ」

そう言われて、キスされそうになった経験もあった。

今思えば…
危機感が足りなかったんだ。

何でも簡単に信じてしまう自分も、問題だったんだ。

会った人の数なんて分からないけど…

もう止めよう。

今以上の怖い目に遭いたくない。

いい人なんて、まずいないんだから。

時計を見ると、まだ23:00を前だった事に驚いた。

こんなに夜が長く感じるのは、久しぶりだった。

隆也は何してるかな…
もう寝てるかな…

電話したら来てくれるかな…

彼氏だったら彼女の側にいてくれるよね…

『アタシは何を期待してる?』

フフッと笑った後、ため息がもれた…