厄介な男と絡んじゃったなぁ…

隆也があんなメールをしたから…?
冗談なのかもしれないけど、本気かもしれない。

コンビニから戻った隆也が、何かあったと察知して、アタシの顔を覗き込んだ。

「昨日のか?」

「何でもないよ」

「貸せッ!」

アタシから携帯を取り上げてメールを見た。

「こいつに、お前の事をどこまで話したんだ?」

「どこまでって…メアドだけだよ。本名も言ってない」

明らかに怒ってる口調だった。
タバコに火をつけるその仕草が、隆也のイラつきを表していた。

「…お前を怒っても仕方ないけど…」

フーッと煙を吐き、アタシに携帯を返した。

「どうしてこんなことしたんだ?」

「…」

「まぁいい…これから、どうするんだよ?


「まず…帰るよ。帰ってから考える。大丈夫だよ、隆也には迷惑かけないから」

好きな人だけど、彼氏じゃない。
隆也にとってアタシは幼馴染みなだけ。

それでなくても昨日、突然お邪魔しちゃったんだ。
これ以上は…

「ほら、落ち着けなきゃな…お茶飲んでさ」

「うん…」

さっきまでの、楽しいドライブではなくなった。

自分がしたことが原因だから仕方ない。

会話も少なく、ただ重い空気だけが車内を包み込んでいた。

今すぐ、隆也の側から離れたかった。
これ以上、嫌われたくない。