沢山の“幸せ”を見つける君だから…

そんな君の傍で、俺はもう沢山の“幸せ”を感じてんだよ。



「私の幸せ、半分こ!」

「…どーも。」


差し出されたクッキーを受けとって、かじった。

そんな俺を見て、彼女もクッキーをかじる。


「今度から最後の一枚は半分こしようね。」


ニッコリ笑う彼女。

そんな彼女に言ってやる…


「あれ?お前次は違うの買うんじゃねーの?」

「‥‥」

「何か半分にできなさそうなお菓子じゃなかったか?」

「‥‥‥」

「さぁ、どうしよっか?」


自分でも思うくらい意地悪く笑った。

少し考えた後、何か閃いた様に表情を明るくした彼女は、俺との距離を少し詰めた。








―ちゅっ


「っ!?」

「こうしたら、半分こ出来ないかな?」

「…っお前////」


君は俺にキスしてそう言った。


「ねっ?」


いいアイデアでしょ?って言うように、首を傾げる君。

お菓子は半分に出来なくても、幸せは沢山受けとった。


ほら、君の傍で沢山“幸せ”を感じてんだよ。



「半分こ、ねっ!」


君の沢山の“幸せ”を分けてもらえる俺は、誰より“幸せ”になれる。

そう、思うんだ。