「~~~ もう、寝るッッ!」


恥ずかしくなったのか、俺の手から逃げるようにベットに入った。


入った――― と、言うより“潜り込んだ”と言った方が正しいのかもしれない。


布団の一角が、山になっている。


「まーおっ」


「もう寝るから」


どうせ顔も赤くなっているであろうまおを思い浮かべ、その山に近づき、ベットの縁に腰掛けた。


「じゃあ、俺は部屋に戻るから」


まおが寝るのなら、俺はもうまおと過ごす意味が無い。


「じゃあな――― おやすみ」


そう告げ、立ち上がったら――― まおが声を上げた。


「待って!」


これはいつものこと。

この先だって、いつものこと。


「もう少し…… お話しよ?」


顔をひょっこり覗かせて言うその姿は、やっぱりかわいいんだよな。

これを見たさに何度か同じ手を使っていることに、まおは全く気づいていない。