まおの左手には、さっきもらったネックレス。

そして―――。

まおの右手は俺の左手と繋がったまま、ホテルに入る。


「たっかーいっっ」


見上げる天井は高く、どこか――― 外国に来たかのようなホテルだ。


予(アラガジ)め、陽太から部屋番号を聞いていたので直接部屋に向かう。


「――― んじゃ…… おやすみ」


「ん…… おやすみ」


部屋の前。
まおと別れる。

俺は陽太と、まおは愛川と…… だ。


離したく無くとも、まおの手を離す。


「寝坊すんなよっ」


「しないもんっ」


本当かよっ。 朝に弱く、日頃から滅多に歩かない奴が、寝坊しないなんて……。


「じゃーなっ」


「うん、おやすみ」


言葉を交わし、俺らは部屋に入った―――。