診察を終えて少しは
待合室に居た。

だけどいつまでも此処に
居てはいけないと思い
重い足取りで帰っていった。

「…香奈……」

香奈の事が
頭の中に浮かぶ。

彼奴に言ったら
泣くかもしれない。

香奈の泣き顔なんか
死んでも見たくない。

ブーッーブーッ
「もしもし」
「あ、涼ちゃん?」
「ん。俺に決まってんだろ(笑)」

香奈からの電話。

なるべくいつも通り
いつもの俺のように
振る舞った。