「御家族に
癌で亡くなった方は
いらっしゃいますか?」

「…………え?」

まさか…まさか…

「父が…そうでしたが?」

「末期癌です。」


窓から入ってきた風が
まるで俺の事だけ
置いていくかのように
吹き抜けていった。

外から聞こえる
子供の声が
遠くの方で
聞こえた。