嘘のさよなら



―ピーンポーン

あれから俺は
香奈の連絡を無視した。
最後に会ってから
今日で一週間。

本当なら2人で映画館に
行く予定だった。

「涼ちゃん…居ないの?
何で連絡…
何もくれないの?」

なかなか扉を開けない俺に
泣きそうな香奈の顔が
外から呟く。

一瞬戸惑うけど
俺の意思は決まってた。

「…何。」

扉を開けて冷たく言う。

「涼ちゃん…なんで?」

「なにが?
ごめん、帰って?」

「やだ…涼ちゃん?
私、何かした?」