バンパイア少女は恋してる

東谷くんが連れてきた場所は、公園だった。



沢山の子供やその親がいた。

少し離れた所で東谷くんは止まった。


「リリィ…………」


どこか遠い所を見つめ、あたしの名前を呼ぶ、東谷くんはどこか寂しそう。



『あたし自分勝手かもしれないけど、あたし……東谷くんと一緒にいたい……』


小さな声で囁いた。



「俺も……」


二人にしか聞こえない、小さな声。



今、一緒にいるのに、なんだかもう会えなくなってしまうのか。と思ってしまうと寂しくて………。



声にならない。