翌日。

「あれ?」

ベッドを覗いて見ると、あの人はいなくなっていた。

しかも何事もなかったと言うように、ベッドは乱れていない。

シワも1つもない。

と言うか、
「どこ行っちゃったんだろ?」

出てったなら出てったで、手紙の1つくらい置けばいいのに。

でも、もしかすると、
「夢だったのかしら?」

あたし、頭おかしくなって幻でも見ちゃったのかな?

けど、
「抱きしめられたのは、本当だもん…」