にらんだり、ドキドキさせたり。

この人は、どうしてあたしの心をくすぐるのが得意なんだろう?

そのうえ、帝は何でこんなにも余裕なのか?

「あたし心臓持つのかな…」

心配する点が違うような気もするが、まあいいかと思う。

何だかんだで自己完結が多いよな、あたし。

相変わらず、寝息を立てて眠る帝。

あたしは帝の髪に手を伸ばす。

キレイな金茶の髪。

指通りのいいその髪は、サラサラとあたしの指をすり抜けたのだった。