「もーう!これだから香波は!そんなに気になるなら、直接本人に聞いちゃえばいいじゃない!」


ポテト数本を手に取り、アキちゃんがそのポテトでびしっと私を指さす。


「うじうじ考える暇があったら、行動しなさい!」


「……うん、そうだよね……」


わかってる、行動しなきゃ何も始まらない。そんなに気になるなら聞けばいい、とても簡単なことだ。


でも、怖くてできない。
もし「そうだよ」って言われたら、私はどうすればいいんだろう。相沢くんのことが好きなのに……。


「香波、怖いのはわかるよ。でもさ、あたしが香波と同じ立場だったらね、はっきりしないまま不安な気持ちで相沢くんと接することのほうが嫌!“自分”を見てくれてないことのほうが、ずーっと嫌!」


「アキちゃん……」


「ほら」


ずいっとポテトを口元に押し付けられ、私はつい口を開いてしまう。その隙に、ポテトを放り込まれた。


「とりあえず食べて元気を出しなさい。で、早いとこ相沢くんに確かめちゃいなさい」


もぐもぐと食べると、ちょうどいい塩味が口の中に広がる。美味しい。
友達とこうしてお昼ご飯を食べて、悩み相談を聞いてもらえるなんて、幸せ者だなぁ私は。