「名前は?」

本名言って良いのかな?

言わないほうがいいよね。

「ゆきなです。」

私の嘘はかなりバレバレのようで

店の仲の雰囲気も重くなる。

この店に衝動的に入ったのを今更後悔した。

「ゆきなちゃんさぁ...」

つまみ出されると思った瞬間

店の奥からやけに明るい声がした。

「あれっ~ゆきなじゃ‐ん来てくれたの~?」

見た目は18歳前後。

身長は180くらいあって白いスーツが

似合うばりばりのホストだった。

少なくとも私にこんな大人の知り合いはいない。

第一私を「ゆきな」って呼ぶということは初対面だ。

私を助けてくれようろしているのか...

「カイさん知り合いですか?」

「カイ」と呼ばれた男の人は

曖昧に返事をするといきなり私の手をつかんで

声を荒らげそうな私に右の人差し指を

唇にあて「しっ」というポーズをして見せた。