決定的な言葉がひーくんの口から出た瞬間、空気が止まった気がした。


ひーくんが、いなくなる?


「ほ、ほんとに?」


「うん、ごめんね」


「…そっかあ。
ひーくんもいなくなっちゃうんだ…」


出てくるのは乾いた笑いばかり。


あはは、と気の抜けた笑い声が公園にやけに響く。



嘘だ、と言って欲しかった。

そばにいるよ、と。



私は無意識のうちにブランコを漕ぎ始めていた。




「悲しい?」



「……悲しくない、よ」


悲しくない。悲しくない。

自分に言い聞かせる。




「またいつか、会えるなら」


いつか笑って会えるなら。

さよならだって悲しくないよ。