「凛ちゃんがいっちゃった」
「よかったな」
「うん、またいつか遊ぼうねって約束したの」
「そっか」
今日は、ひーくんが一度もわたしを見ない。
結構大事な話をしているというのにひーくんはわたしに背を向けて、バスケの練習ばかりしている。
なんだかおかしい。
「なっちゃん」
「なあに？」
「俺高３じゃん？」
「うん、…そうだね」
高３。そう、ひーくんはここでバスケばかりやっているけど受験生だ。
なんとなく、今日おかしい理由がわかってきた気がしたの。
「で、大学なんだけど」
「うん」
「ここを出ることにしたんだ」
