“家族”の言葉が頭で反芻する。 家族がいないわたしたちにとって施設は家族同然なんだ。 「そっか、そうだね」 「ああ。その凛ちゃん、引き取られて幸せに暮らせるといいな」 「うん」 さよならのときはいつもの約束をして、ちゃんと笑顔で送り出そう。