隣の兄ちゃん





「ていうか、どうする?家帰る?」



家――・・・



あたし帰る家ないよ?


あたし今1人だよ?





「……て…。…ちぃ、助けて…」





もう泣きたくない。


だから助けて…?


ちぃなら助けてくれるでしょ?





「どうした?おれに話して…?」



「ないよ…。帰る家なんか…。とっくの昔になくなっちゃった…。家に帰っても、どうせあたしは1人…」





目頭が熱くなって、鼻がつーんとする。


あふれ出てくる涙は、自分で止めることはできなくて。



静かに泣いた。