夏海を見た瞬間昨日の事が思い出され、一気に鼓動が速くなる。
「おはよ…。夏海も一緒なんだね」
「うん!同じ電車だったんだー」
「そうなんだ…」
夏海と二人よりは冬馬も一緒にいてくれたほうがマシだけど、昨日の事が謝れない。
「おはよ、夏海…」
普通に、普通に、と心の中で呪文のように繰り返しながらハルは夏海を見た。ハルは自然な笑顔を浮かべたつもりだが、多分引きつってると思う。
「おはよ、ハル」
夏海はいつもの笑顔を浮かべて、いつものようにハルの頭に手を置いた。
「……」
昨日の事なんてなかったように夏海はいつもの夏海だった。夏海も意識してると思ったが、何も思ってないのかな。
色々思う事はあるが、ちゃんと目を合わせて話してくれる夏海にハルは少し安心した。