BEST FRIEND

すっかりへそを曲げたハルに、夏海が笑いながらフェンスに近付く。
「ハル、ちょっと来て」
「何?」
呼ばれるがまま夏海に近付くと、夏海はいきなりハルをお姫様抱っこした。
「え!?ちょっと、危ないよ夏海!」
でも夏海は「落とさないよ」と言って下ろそうとしなかった。
屋上でお昼を過ごす生徒は少ないとはいえ、まばらに人はいる。そんな所でいきなり抱き上げられて恥ずかしい。それに夏海の顔がすぐ近くにあって胸が激しく鼓動する。
軽い混乱に陥っているハルに夏海は笑いかけた。
「ほら、これが私達の世界だ」
「……」
夏海の言葉に景色を見ると、いつもより少し低い景色が広がっていた。
空がほんの少し近くて、ビルや家がいつもより遠くまで見える。