恵は生まれた時から心臓に病を抱えており、原因が分からないため医者にもどうする事も出来ないらしい。
恵の母親から連絡をもらい夏海はすぐに病院に駆け付けた。
病室に入ると恵の両親がいて、恵は体に色々な配線のような管を付けられベッドに寝かされていた。
夏海が手を握っても恵はピクリともしない。
呆然と恵を見ていると、恵の父親が口を開く。
「今朝、恵が学校に行こうとしたら突然倒れたんだ。意識が無くなる前に何度もキミの名前を呼んでたよ…」
それで恵の両親は、私達を引き離した罪悪感で私に連絡して来たのか。
だが遅い。
夏海は恵から手を離し、父親と向かい合った。