春の季節はすっかり過ぎ去り、夏がやって来た。毎日陽射しが強く、灼熱地獄だ。
そして夏海は、恵さんのお葬式に出てから学校に来てない。ハル達は夏休みに入っても夏海と連絡は取れず、先生に聞いても家の用事で来れないらしいと言われるだけ。
「夏休みあっという間に終わっちゃったなー」
いつものように校門で待つハルは青々と葉を付けた桜の木を見上げ呟く。
陽射しは強いが風が吹き、制服も軽いので気持ち良かった。
「ハルー、おはよう」
夏でも元気いっぱいの冬馬がやって来た。
「おはよう、冬馬」
「夏休み試合の応援来てくれてありがとねー」
「ううん。久しぶりに冬馬が頑張ってる所見れて良かったよ」
「ありがとう」
どうせ家族で出掛ける予定もなかったし、試合をしている冬馬は素敵だったから見れて良かった。