BEST FRIEND

そして夏海が顔を上げる。
「だからハルとは付き合えない。ハルだけじゃなくて、恵以外の人とは…」
夏海がハルと付き合えない理由。それは想像以上に夏海の辛いものだった。
「それって夏海は辛くないの?いつ起きるか分からない彼女をずっと待ち続けるなんて…」
不安の中にあるほんの少しの期待。毎日毎日目を覚まさない彼女に会いに行って、夏海は本気で恵さんの事好きなんだろうけど、私達はまだ高校生。いくら夏海が私とは違って大人でも、それは辛いはず。たった一度しかない人生なのに。
ハルが聞くと、夏海は少し息を吐いて頭を掻く。
「恵の両親にも同じ事言われたよ。キミにはまだ未来があるんだから、自分の人生を生きなさいって。こんな所で立ち止まってちゃダメだって…。でも私は恵を待つ事を無駄だとは思わない。好きな人を待つのは恋人として当然だと思うし、愛する人を待つ時間は無駄じゃなく大切な時間だ」