力を全て連に注いでしまったあたし。


体を起こす事なんて。

目を開ける事なんて。

声を発する事なんて。


全て、失ったんだ。


でも、連の声が、何故か耳に届いた。


「おい! 起きろよ!」

「…れ……ん…」


大きな手にあたしの手が握られ、体が浮かんだような気がした。



そして、

「…オメェの方がバカじゃねぇか」

優しくて、甘い。
連の声を後に、意識を飛ばしたんだ。