ってバカか!
こんな状況で楽しめるかよ!
「んもう! バカ連! 早く行くよ!」
連の手を引き、走る。
「なぁ」
「なに!」
「敵倒してやったんだけど。バカじゃねぇよ」
何故か怒り気味の連。
「そんな事は後! 今の状況を読み取ってよ!」
「んだよ…」
楽しくなさそうな声と、ブラックブーツのヒールの音が響く。
そして、あたし達の足音は、体育館の影で止まった。
「おい! テメェら動くんじゃねぇぞ!」
男の怒鳴り声と、銃声。
……確かに、敵はここにいる。
「ここは危な――って連?!!」
後ろを振り向くと、連はいなかった。

