面倒臭そうに横を見る男の頭をクシャっと撫でた。 「んだよ…」 思った通り、グレーの目で睨まれる。 「お~、怖い、怖い」 ふざけるあたしに、男は舌打ちをする。 「あ、そうだ。アンタにピッタリなものがあるよ」 ポケットから、あれを取り出した。 「はい、これ」 「……ピアス…?」 「うん! 宝物だから、大事にしてよね」 「じゃあ、いらねぇよ」 男は顔を背ける。 男の耳には、小さい金のダイヤと、赤のダイヤ。