麗がいて、頭を撫でてくれて。
優しい笑顔があって、落ち着くんだ。

安心、出来るんだ。


「麗…」

「ん?」

「ありがと…」

「なんだ、奈央? 熱でもあるのか?」


イタズラに笑う麗。

麗のシャツをキュッと握った。


麗の甘い香りが、心に染みる。


「…そうかもしれない」



ゆっくり目を閉じた。