ポツ、ポツ、と水の音が聞こえる。

一定を保つその音は、一寸の狂いもない。




ポツ、

ポツ、

ポツ、




それは、まるで。



――時を刻んでいる。



世界が、世界を、在るべきままに。





(……ここは、どこなのか…)



暗く沈む空間。
自分の手先すら見えない。



記憶は、何を語る?



(私は、)



誰だったのか。




時は無情にも過ぎる。



ポツ、

ポツ、

ポツ、

ポツ、



――ポツン




世界は、


いずこに?