「サラ様っ!!
どうされ……っ
ルカ様っ!?」


私に駆け寄ってきたシキは、私の体に倒れ込む血だらけのルカを見て血相を変えた。


「シキっ!!
この壁の中から突然ルカが出てきたのっ!!
どうしよう、シキっ!!
ルカの血止まんない!!」


私が言っている間にもルカの血はダラダラと流れ、次第にルカの体がぐったりとしてきた。


「シキっ!!
ルカ息してないよっ!!
どうしようっ。このままだとルカ死んじゃうよっ!!」


もう頭はパニックで、なにをしたらいいのかわからない。


ただ、シキに助けを求めることしかできなかった。


シキは慌てることなく、メイドさんに医者を呼ぶよう命じ

力のある執事に、ルカを部屋に運ばせた。


震える体。

静まらない鼓動。


全ての音が遠くなるほど、気が動転した。






「サラ様。
もう大丈夫でございますよ」