でも、そう思ったんだ。


だって、フランさんは自分の次に相応しいのは完全な悪魔のヘイリではなくルカだって言ったんでしょ?


ルカが生まれてきた意味がちゃんとあるから、フランさんは世継ぎにルカを選んだんだ。


ルカは絶対、魔界に必要な存在なんだから。


強く、そう思った。



「チヅルさん、私に何かできることないかな?
ルカの存在が魔界で認められるよう…に――」


って……

あ、あれ!?

チヅルさん!?


アルバムに落としていた視線をパッと上げると

今まで私の目の前にいたチヅルさんの姿が、急になくなっていた。


辺りをキョロキョロ見回してみたけど、人の気配はない。


急いで部屋から出て廊下を見てみても、チヅルさんの姿はなかった。


……き、消えた。


なんで?

どうして?

これは、一体どういうこと!?