ルカはそう言うと、すぐにドアの方へ歩いて行った。 「もう魔界へ行かれるのですか?」 「今日の会議は少し厄介だ」 ルカは、ドアを出た後でクルリと振り返った。 「シキ、あのことをブスにしっかり伝えておけ」 ……あのこと? 「はい。 かしこまりました」 シキは、ビシッと頭を下げた。 あのことって、なんだろう? それに、シキはあの時何を言おうとしていたんだろう。 ルカにはお兄さんがいる。 何か問題でもあるのかな? ルカがあんなに睨んで会話を止めたのには、どんな理由があるんだろう……