突然、シキの背後でルカの声が。
シキはハッとした表情で振り返った。
「申し訳ございません」
シキは頭を下げながら、ルカの後ろへ下がった。
ルカはシキを睨みつけると、今度は私にも鋭い目を向けてきた。
背筋がぞくりとする。
「貴様、これ以上余計な詮索はするな」
また命令かよ。
「背けば――」
「血を吸ってここから叩き出してやる。でしょ?」
ルカに言われる前に私が答えると、
「わかっているではないか」
ルカはうすら笑いを浮かべた。
ほんっと、ムカつく野郎だ。
「おい、シキ」
「はい、ルカ様」
「おまえはこのブスの見張りをしていろ」


