「それは、そんなにいけないことなの?」
「今は昔ほどではなく、“人間と恋愛してもいいんじゃないか?”と考える者も出てきております。
しかし、長老たちは昔の考えが残っており、“人間との恋愛”はまだまだ受け入れられない状況なのです」
「そうなんだ」
「ですから、今フラン様はもっと人間との関わりをとれるよう、国を変えようとしておられるのです」
「ルカが魔界で暮らせないのは、人間の血が混じっているから?」
「……はい」
そっか……
ルカは、辛い立場なんだ。
魔界の王子でありながら、魔界で生活ができない。
それで、人間が大嫌いなんだ。
ルカの居場所は、ここしかないんだね。
「ルカは、それでもきちんと魔界へ行って会議に出てるんだ。
魔界では、みんなにどんな顔をされてるんだろう」
「……皆、あまりいい顔はしません。
実は、ルカ様にはひとつ上のお兄様が――」
「おい、シキ。
何をベラベラしゃべっている」


