この野郎……
また、私の拳が震えだした。
我慢だ、我慢。
こいつの憎たらしい顔に負けるな。
ここで叫んだら、前に進めないぞ。
笑顔を、作るんだ。
「貴様、一度整形してみるか?
魔界で腕のいいヤツがいる。仕方ないから紹介してやろう」
こ、この野郎……
「優しいだろう。
どうだ、俺に血を吸われる気になったか?」
ルカは、軽く口角を上げた。
む、ムカツク……
もう、我慢の限界だ。
全身で怒りを抑える私を見て、ルカは勝ち誇ったような顔をした。
憎たらしく横目で見て、部屋を出る前に肩をすくめやがった。
「だぁぁっ!!
もうっ、無理っ!!
こぉんのドグサレ王子っ!!
メシ食ったら速攻戻ってきやがれっ!!
今日は魔界になんか行かせないからなーーっ!!!!」
私の大声が、廊下中に響き渡った。


