見覚えないはずなのに。



ドクン、ドクン

ドクン、ドクン。


心臓が、有り得ないほど速くなった。


胸がギューっと締め付けられる。


なぜだか、このネックレスがとても大切に思えた。


思い出の品。


ジャリ――…


強く、ネックレスを握り締めた。





「今日は転校先紹介すっぞぉ」


やる気のない太一の声に


「マジでぇー!?」


急にテンションの上がり出した教室。


「先生〜、男?女?」


一人の男子が興奮気味に聞くと


「残念だったな。
男だ」


「えーーーーっ!!!!」
「やったぁーーっ!!!」


ガックリ肩を落とす男子と、

期待に目を輝かせる女子。



「おーい。
入って自己紹介しろー」



太一の声に、ガラっと開いたドア。


ドックン――…


また、心臓が反応した。