「どうした、ルカ。
なぜ攻撃してこない」
言いながら、ヘイリは剣をひと振り。
「なんだ、怯えて剣も出せぬのか?」
ルカの顔スレスレを走る剣。
ルカっ!!!
いい加減、剣を出せっ!!!
ずっと逃げ回るつもりかよっ!!!
いいから、とりあえず何かして、ヘイリを黙らせろっ!!!!
「兄上。
私は、兄上と決着をつける為にここにきました」
ヒュンっ!!!
またルカの顔の前を走った剣。
ルカの頬に、細い血の筋ができた。
「しかし、兄上とこのような闘いをする為に来たのではありません!!!!」
「なに?」
「兄上!!!!
いい加減、目を覚まして下さい!!
こんな闘いをして何になるのです!!
傷つくものが増えるだけではありませんか!!」
ルカ……
「私は、兄上と闘うつもりはありません。
兄上を理解しようと、サラも連れてここに来ました」
……理解
「兄上は、ひとりだと勘違いしていませんか?
不幸なのは、自分ひとりだけだと!!!」
「何だと?」
ヘイリの眉が、ピクリと動いた。
「心に闇を抱えているのは、兄上だけではありません!!!
みんな同じように、苦しさや絶望を抱えている!!!!」
「………」
「だから、人間はみんな支え合って生きているのです!!!!
ひとりでは解決出来ず、もがき苦しみどん底を経験し、それでも人間は自分の意思ではい上がってきます。
何度落ちようと、何度でもはい上がってくるんです!!!!」
「何が言いたい」
ヘイリが厭味に口角を上げながら言うと
「兄上は、ひとりではないと言いたいのです」


