え?

と、ルカを見上げる。


「父上も言っていただろう。
おまえは俺達親子にとって、かなりでかい存在なんだ」


「………」


「特に、俺には」


……え?


「サラ――」


ルカと階段の途中で立ち止まる。


お互いの瞳に、お互いが映っている。


壁のオレンジ色の灯りに、ルカの顔が優しく照らされていた。


「感謝してる」


「ルカ………」


「傍にいてくれて、ありがとう」


ルカの顔がゆっくり近づいてきた。


硬直する私の体。


ほんの一瞬触れた、ルカの唇。


体中に電流が走り、体が震えた。


目をグっと丸めて、口をポカンと開ける。


そんな私の顔を見たルカは


「ぶっさいく」



口元に手の甲を当て、フッと笑った。