ルカの瞳が濁っている。
どこかに感情を置き忘れてきたかのような顔つきだ。
今のルカには、魂が入っておらず。
ただの、人形のようだった。
ヘイリは静かに椅子から立ち上がると、床を滑ってルカの目の前に移動した。
ガシっと、ルカの前髪を掴む。
それでも表情を変えないルカは、ヘイリにされるがまま、頭を前後に振っていた。
「貴様、なぜ止めをささなかった」
ルカの前髪を鷲掴みにしながら、低く言った。
「なぜ兄の言うことに従えないのだ」
「………」
「始末しろと言ったはずだ」
「………」
「人ひとり始末できぬとは」
「………」
ヘイリが何を言っても、ルカは全く答えなかった。
瞬きすらしていない。
「ほぉ。
何も答えぬのか」
「………」
「言葉を出せない口など、邪魔であろう」
おい……
ヘイリ……
おまえ、何をする気だ。
「この兄が、使えぬ役立たずの口をとってやる」


