「ちょ、いきなりなんだよ!!
チヅルさんと話しただけだろ? 何もふざけてないよ!!
そりゃ、ちょっと勝手なことしたかなとは思ってるよ。
おまえに余計な詮索をするなって言われて腹が立って、そんな時にチヅルさんに会って、色々聞いたよ」
「……なんだと?」
「チヅルさんにも悪い事したかなって思った。
フランさんとのことを無理に思い出させて、辛くさせてしまったかなって。
色々聞き出してしまったけど、色々悩んだよ!!
でも、私は一度もふざけたことはない!!
悩んで、自分なりに考えて、おまえの教育係として、どうしたらまたあの写真のように笑ってもらえるだろうって、必死で考えたよ!!」
一息に言った。
酸欠の頭はクラクラする。
激しく上下する肩。
「だから、今こうしてここに残ることを決めたんじゃないか……
ふざけてねぇよ……」
声のボリュームを落として言ったのに、先程よりも部屋に響いている気がした。
俯いた視界の隅に、ルカの足が映った。
こちらに向かって歩いてきている。
一発、殴られるか?
また“勝手なことをするな”と怒られるか?
私は反射的に目を固く瞑った。
歯を食いしばり、頬に走る痛みを覚悟した。
しかし、どんなに待っても
頬に痛みが走ることはなかった。
「一度死んだ人間が、またこの世に現れるわけがないだろう」


