「シキ、俺は少し部屋で休む。
この目を休ませなければ」


この野郎、まだ言うか。


「そうですね。
そうされた方がよろしいですよ」


シキ、おまえもか……


もう…いいよ……

なんとでも言ってくれ……


はっ!!

そうだっ!!

チヅルさんのこと、すっかり忘れてた。



「ねぇ、シキ!!」


「どうされたのです?
急に大声を出して」


「さっき、チヅ――…」

「大声を出すな、耳障りだ」


って……

まだいたのか!!

さっさと部屋に戻れよ、このドグサレ王子。


「さっき、チヅ――」

「だから、声を出すな。
耳まで腐れてしまうわ」


「じゃあ、早く部屋に戻れよっ!!
私はシキに話があるんだ!!」