私は、優雅に紅茶を飲むルカの脇腹に一発蹴りを入れてやった。
『うっ…』っと小さく唸ったルカ。
ふんっ。
ざまあみろ。
「……き、貴様」
ティーカップをテーブルに置いたルカの右手が、怒りに震えている。
「サラ様っ!!
なんてことをっ!!
レディーがそんなふうに足を使うなんて!!
はしたない!!
蹴りはいけません。
次からは手でお殴り下さい!!」
シキは、私の行動にキッと目を吊り上げた。
……シキ
あんた、ちょっとズレてない?
手でお殴り下さいって……
そんな注意、生まれて初めてされたんですけど……
「貴様、今度は身動きが取れないように、その体椅子に縛り付けてやる」
「はっ?」
「安心しろ。
先程よりも部屋の温度を下げてやる。
すぐにあの世に逝けるぞ」
こ、コイツ……
私はルカの脇腹目掛け、今度は拳をお見舞い。
また『…っう』と唸るルカ。
「悪魔が人間に二度もやられるなんて、おまえ相当ヤバいな」
「なんだと?」
「それじゃ、気を失うまでヘイリにやられるはずだわ」
「き、貴様……」
ルカの背中から黒いオーラが出ている。
「上等だ。
貴様、もう人間界へは帰れなくしてやる。
覚悟しろ」


