(ラーメンよりも大切だなんて、初めてだ) 瀬戸君は、自分でも信じられない気持だった。 店の近くまで来て、 思いきって 言った。 「典子さん、君といると、 枯れ木に水・・・あ、ちょっと違う。 砂漠にオアシスって感じで その、ラーメンよりも君の方が、 たっ、大切って言うか・・・」 もどかしそうに言葉を詰まらせて、 きっと典子を睨みつけた。 そして、親のカタキのような勢いで 叫んだ。 「僕と、付き合ってください!!」