助手席のドアを開けて僕は言った。

「どうぞお乗りください」

「では遠慮なく」

僕らは二人で笑った。

「やっぱりこのほうが落ち着くよね」

「そうだね」

「では出発します」


僕は今夜宿泊する宿へ向かって、
カエル色の軽自動車を走らせた。




終わり