「もちろん部室もないから、大道具とかは舞台のそでか体育倉庫のすみに。他の部の邪魔にならないようにね」

なんちゅう肩身の狭い演劇部。

つぶれても誰も困らないんじゃ…

「ちなみに、あの野外ステージもうすぐなくなるから」

「…本当ですか?」

「うん、取り壊して冷暖房つきの学習室作るらしいよ」

確かに裏庭の小さい野外ステージを使ってるのは、あたしたちぐらいだ。

全校生徒のためには、学習室のほうが役に立つのは間違いない。



「じゃ、最後のシーンやってみるか」

先輩はステージに置いてある台本のラストシーンを指差す。

「瀬木の好きなように動いていいから」

「はい…」

あたしは最後のシーンのセリフをチラッと確認する。

台本をステージに置いて、岡崎先輩と向き合った。