My Romeo & Your Juliet 【完】

「あたし…先輩のこと信じてます!」

あたしも慌てて先輩の隣に座る。

「さっきのさ…演劇の練習でやるんだよ」

「あれをですか…?」

「お互い信じてないと、一緒に芝居作れないだろ」

あたしは先輩を見上げて、うなずく。



「お前一人だけがステージに立ってるわけじゃない。芝居は生だから、どんなアクシデントがあるかわからないしな」

先輩は本当に演劇が好きなんだと思う。

先輩は真剣にお芝居と向き合ってるのに、あたしは自分のことしか考えてない。

なんとなく気まずくなってうつむいた。



「お前も飲む…?」

微妙な沈黙を破って、先輩が飲みかけの ジュースを差し出す。

「…ありがとうございます」

先輩が真面目に語ってる時に、間接キスとか余計なことを考えてしまうあたしは変態だ…



ドキドキしながら、先輩からもらったオレンジジュース

変に意識してるのがバレないように、自然に口をつけた。