柚木は病室の外に出た。


 俺は若菜の細く白い指に自分の指を絡めてしっかりと握り締める。


 しばらくして……若菜が瞳を開けた。



 「神……さん!!?」


 「若菜…目を覚ましたか……」


 「え、あ…」


 若菜の意識はまだ…混濁していた。


 「…若菜…契約は不履行だ…」


 「!!!?」


 若菜の瞳が大きく見開き…悲しげに俺を見つめた。