「柚木さん…何だか…私たちのこと…おかしいと思ってるかもしれない」


 「ん、あ……あいつ…多分…気付いてる……」


 神さんは蓮さんのプレゼントのベットに腰を下ろす。


 「うわ~っこのスプリング…すげぇ~ぞ!!若菜」


 「え、あ…」


 話をそらすように神さんは私に話し掛ける。


 「いいんですか??」


 「いずれ…あいつには話すつもりだ。これだけ…盛大に結婚しておいて…
1年後には別れるつもりでいる…。若菜の傷を最小限に留め…離婚する方法
を俺も考えているが…俺一人ではどうもいいアイディアが浮かばない…柚木
なら俺にいい知恵を貸してくれる気がする…若菜と古橋氏のことは絶対、言わない」


 「……」


 私は神さんの言葉に心臓をわし掴みされたような痛みを感じる。
 その痛みは…私が神さんを好きになりかけている証拠。

 でも……


 やっぱり…あくまで契約で…好きになってはいけないのね……。