「教授…!ごめんなさい!!」

「え?」

教授はキョトンした顔でこっちを見る。


「えっと…色々悩んでて…
あの…誠さんって知ってる?
その誠さんに相談してて…
なんというか…
家にあげて…抱きしめられて…その…
ごめんなさい…」


「…その誠さんには?何かされた?」


「いや…告白されただけで…」


「告白ぅ!?」


「う…うん。ごめん…
もちろんごめんなさいって言って…」


「何で俺に相談しなかった?」


やっぱり…怒ってる。

やだ…


嫌われたくないよ…。


でも…言わなきゃ。


「教授…のことで悩んでたから。」


「え?」

教授は全く心あたりがないという顔をしている。


「俺何かした…?
ごめんけど…分かんない…」


「教授…。裕子さんって人と付き合ってるの?」


「えっ…」


教授はびっくりした顔をして、考えている。


「この前聞いちゃった…んだ。
裕子さんに会いに行くってことも…
裕子さんに愛してるって電話で言ってるとこも」


「ん?ちょっと待って。俺は裕子さんとやましい関係なんかじゃない。」


「えっ…?じゃぁ何で愛してるって…?」


そうだよ。
やましい関係じゃないのに何で
愛してる
なんて言葉をいう必要があるの?


「それは…麻柚のこと!!」


「え?」


「まだ裕子さんとの関係は言えない。
けど浮気なんか絶対にしてない。
麻柚以外ありえないし…。
麻柚のことってのも、裕子さんと電話で聞かれたんだ。

麻柚さんのこと大事にしてます?
愛してます?

って聞かれたんだ。
裕子さんは俺達がしばらく会ってないのをしってるから
多分心配して聞いてたんだと思う。

だから、愛してますよ…。って。

裕子さんと会うっていうのも詳しくはまだ言えないけど、
見ておかなければいけないものがあって会う約束をしたんだ。」