教授×モデル

それからの撮影はあわあわしっぱなしで最悪だった。

もしかしたら声も裏返ってたかもしれない…。

誠さんがいきなりあんなことするからー…

あんな…

帰りのタクシーで思い出したら、じわじわと涙が浮かんできた。

タクシーの運転手さんに変に思われたかもしれない。

でも…
何故か涙はこぼれるばかりだった。



*****


あれから一週間後。


この間撮影したCMの記者会見をしている。

一週間もたつのに…
教授からは何の連絡もなかった。

自分からかけようかなと思ったけど、暇がなかったし…

…いや、暇がないなんてただの言い訳かもしれない。

もし教授が浮気してたらー…

なんてことを考えて、自分から連絡する勇気がわかなかった。

もしかしたらCM会見も少しボーッとしていたかもしれない。


それから30分におよぶCM会見は終わった。

「あーっ…。疲れたぁ…」

楽屋で1人になると思わずつぶやいた。

テーブルの上の携帯をとって、見るけどメールがきている様子ではない。

一つ、ため息をついた。


ー明日は大学いけるかなぁ…

なんか…
会いたくないなぁ…

けど、単位も危ないし…。

仕事休みだし…。